Riders of Caribbean (第2話:Slave mans Chest)

第2セッションは平たく言えば、調達した名水でもって、漢の料理を実践することである(普通に言っても同じではあるが)

場所は桜の名所でもある賀茂川じゃなくて加茂川の河川敷である。

※加茂川は西日本最高峰である石鎚山(1982m)に源を発し、 名水百選「うちぬき」に代表される西条市の地下水を涵養しながら瀬戸内海に注ぎます。上流ではアユ、アマゴ、ニジマスなど清流を好む魚が群れをなし、その上をカワセミが飛び交います・・・(資料より)

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桜はとうに散った後で、宴の跡さえも今は昔である。

萌えるが如き新緑が土手を包むように広く大きく覆いかぶさっている状態である。

法面を下りて適当な場所を見つけて、荷物を降ろしていた甲板長が突如大きな声をあげてその場にうずくまった。

「しまったぁ!ここは・・・ここは。。。」ヽ(;゜〇゜)ノアウアウ

震える手で看板を指さしながら、蒼ざめた頬で(見た目にはわからないが、たぶん)彼は何度も後悔の言葉を発したのであった。

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そうです、ここは芋炊きの州浜、別名「芋炊広場」と呼ばれているのです(かどうかはわからないが^^;)。

芋炊き広場に芋を持ってこなかった。

なんという失策。

いやいや、彼だけを責めるわけにはいかないであろう。

それに、今回はキャプテンが今は旬の筍を持参している。

名物に対抗するには充分と判断する。

筍は湯通しされてしかも、味付である。

衣を付けて油で揚げさえすれば、誰でもが美味しいてんぷらにありつける。

毎度のことではあるが、キャプテンの奥方様には感謝である。

我々が準備を始めたころから、雲行きが怪しくなり(元々曇りで雨が降りそうな天気はではあったが)なにやら横風が強くなってきた。

何かが起こりそうな雰囲気ではある。

かまわずに続けるが、各自、持参したラーメンにこの筍のてんぷらが3切れずつ配給されることになっている。

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kento甲板長からは環境対策用の箸が全員に貸与された。

彼は実に地球にやさしい男なのだ。

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quu航海士とキャプテンが天ぷらを揚げている間にお湯を二人分沸かしていたが、横風で火力を奪われ中々沸騰しない。

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これが、あの有名な芋炊きの呪いなのか?(聞いたことがない)

お湯は、てんぷらが完成したころにギリギリ間に合った。

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この、筍のてんぷらはラーメンによく合う。


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味付けが良かったことも有るのでしょうが、一度試されるがよかろうと思います。

食後は定番のコーシーであるが、これまたキャプテンは特別な豆を用意していたのであった。


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お店で焙煎された黒光りの大粒の豆である。

その苦味は格別の上品さがあるが、これに合わせたかのように、今日の為にわざわざkento甲板長が保存していた井原の銘菓「那須野与一、扇の的」がある。

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じゃなくて、実は我らが守護神、林道の女神よりキャプテンainoueへの贈り物を預かっていたのを今日まで渡せないでいたであった。

が、この甘いお菓子が苦味の濃い味のコーヒーに実にすばらしいマッチングでありマッチング(??)

また、井原市に何故那須野与一か?って、我々が知らないだけか(笑)

林道の女神は我々にまた新たな謎をお与えになったようだ(ただ、今は人間の姿にヤツして怪我の療養中という、言い伝えであるが)

第二セッションすべての完了を確認したその時、我々はkento甲板長の姿がないことに気がついた!

どうした?なぜだ?どこにいる?

キャプテンの贈り物を届けなかったので、女神がお怒りになったか?

いや、そうではあるまい。

実は彼の胸には魔物が棲んでいたのだ。

それも、かなり手ごわい。

彼はその魔力にとり憑かれてからはというものの、毎回休息日にはその魔物の奴隷となっている。

我々は何度も救いの手を差し伸べようとしたが、無駄なことであった。

彼は自らの意思で好んで魔物の餌食となっているのだ。

「出発するぞ!」

キャプテンが叫んだ。

「えっ!kento甲板長はどうするんですか?」

「彼を探しに、この加茂川を遡り、名水の果てまで行くのだ!」

そうか、きっと彼はそこで我々が助けに来るのを待っているに違いない。

そうと決まれば・・・

だが、quu航海士の駆逐艦は燃料タンクが小さくて、早くも燃料の補給が必要となっている。

「kento甲板長よ、待っているのだぞ!今、燃料を補給して、必ず助け出してやる!」

固く、その胸に誓うのであった・・・

最終編に続く・・・








注)すいません、ここで言う「魔物」とは、世間一般の言葉で表現する、人間に災いをもたらす悪しき存在を示すものではなく、やんごとなきところであり心奪われる程魅力的で愛しき存在をあらわします。

もう、お判りと思いますが、kentoさんが一番大切にしている「家族」のことですねー。

物語のいきさつ上、かくの如き表現と相成りましたが、もちろん、決して、kentoさんのご家族は災いをもたらすどころか、彼にとって一番大切で幸せのタネであると思います。

無礼の段、重々お詫び申し上げるとともに、この物語上においてだけの定義をお含み頂き、ご寛容なお心を賜ることが出来ましたら幸にと存じますm(_ _)m