救援隊(後編)

前編より

県道49号線を物部川を下ると国道195号線に出ます。

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おしゃれなライダーハウスがありますが、時間の関係か、誰もおらずひっそりとしている。
来週はみやさんたちは、ここで楽しい宴を催すのであろう(きっと)
次に計画の敢行のため、GSを探して奔走するも、やはり、ここでも燃料を確保できず、無駄に数十キロを走ってしまった。(林道ルートの開発)
予備の燃料は7.5リットルなので、次の作戦はあきらめて、撤退するしかなかった。

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49号線を引き返し林道の分岐点まで急ぐが、1台の原付を追い越した。
この人とは後に先ほどの駐車場で一緒にお話をさせて頂いたが、CB50R(カフェレーサー調)、注文生産の逸品だそうで50ccでなんとツインカム
赤フレーム、アルミレーサータンク、クリップオンハンドル等々フルカスタムのオリジナルかオリジナルのフルカスタムなのか。
アリラン峠を探しておられたのですが、実はここのことでした。

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ここの林道の建設について看板があり、今は遠くて近い国の人たちが労働者として集められた。
強制就労をさせられた人たちが、故郷を想って建設に従事したことから、ここはアリラン峠と言うそうである。

先を急がなくては山の日暮は早い。
トラブルがあるといけないので早めに抜けておきたい。
復路の林道は下りなので、緊張度の連続です。

が、意外とスムーズにクリア・・・ここまでは・・・

問題は京柱峠から、どのルートにするか?
国道32号線に抜けるならば若干の遠回りとなる。
落合峠経由が最短と思われるが、県道45号分岐(祖谷渓ルート)のところで、何故か剣山へ向かってしまった。
本来ならば、祖谷渓、祖谷温泉、祖谷口へのルートが最も近いルートだったはずでした。

途中ヨサク沿いの案山子村にて。
でも、写真を撮っていて案山子君の内2体(人)が急に動き出して( ̄Д ̄ぎょっ!)
実はこの中に本物が?2つある(案山子に化けた人間)

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剣山の登山口、ロープウェイまでは難なく到達。
ここからは国道438号線を下るのみ。

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時間も時間なので、クルマの人を次々と交しながら、調子よく下ってゆく。
ここのヘアピンカーブは下から第1から第7まででしたっけ(定かでない)名前が付いている。
下りでは最終の第1ヘアピンを終わり、初めての集落を過ぎたあたりで、走行中にエンジンが停止した。
燃料は175kmの走行時に予備となり、手持ちの7.5リットルを全てつぎ込んであるので、今現在の走行累計255kmから計算して、通常3.5リットル、燃費が悪かった時でも予備以外で2リットルは残っているはずである。
往路でも、何度か被る感じはあったが、標高の高いところではいつもあることなので、あまり気にしてはなかった。
ただ、いつもと違うことは車体を停止させた時に既にエンジンも止まってしまったことである。

いやな予感はしたものの、念のためにガソリンコックを予備に切り替えてキックするも、掛からない。
元々2サイクルは走行中に機嫌を損ねると厄介である。
あり得ないが、もし燃料が一次的に切れていたことを想定して、チョークを引いてもダメ。
被ったか?
プラグを外すとやはり、真っ黒になっていた。
掃除をしてやり直したが、掛からないので、抜いた状態でセルを回して電極を見ましたが、手に「ピリッ」と高圧電流が流れる。
が、火花は飛んでいない。
バイクの師匠に電話をして聞いてみましたが、「プラグキャップをはずして、アースを離してやってみてください」とのことでしたので、言われたとおりにしてみると、プラグとヘッドの間にスパークが飛んだ。
コイルから電流は流れてきているようなので、キャップを付けてやり直すも、電極以外のところに火花が飛んでいる。
隙間を調整して、なんとか電極の間に火花が飛ぶようになったが、やはりエンジンは掛かる気配もない。

時間を置いて何度も繰り返すうちに4時を回り暗くなってきた。
エンジンが冷えてきたのでチョークを引いてみたが、ダメ。
もう一度プラグの掃除からやり直し。

マダマダ山の奥深いところなので、このまま此処で夜を迎えるわけにはいかない。
やむを得ずJAFに来てもらって貞光のコンビニまで運んでもらう。
出向してきたのが大きなトラックだったこと、下山するクルマが多かったのとで対向を交わすのに時間がかかり、5時半に着く予定が6時を回っていた。
帰りも山道で対向車を交わしたり、後続車を追い抜かせたりしなければならないので、約20kmの道のり、貞光の国道192号線に着いたのは7時を過ぎていただろうか。


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そこから再び、コンビニの明かりで、作業を開始。
今度は別の先生に連絡を取り、色々指導してもらった。
が、山の中では火花が飛んでいたのに、下界に降りた途端、それさえもなくなった。

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遂に自力走行不可能と判断し、7時40分、臨時レスキュー隊(トランポ)に出動を要請してしまった。
日曜日の夜にもかかわらず、直ぐに出発していただいたようで、高松から1時間ほどで来てくれました。
いやはや、なんとも、申し訳ござりません。


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自宅に到着をしたのは11時を回りましたが、厚かましいお願いに嫌な顔一つせずに対応していただき感謝でございます。
DT125Rはしばらく入院でございます。
チキンファイター、ライダーとしてリターンして初めての大失態でございます。
色々反省すべきことはありますが、とりあえずは無事に帰還できたこと、遠方のところを遙々来ていただいた臨時レスキュー隊の方に陳謝ならびに感謝を述べる次第でございます。